こんにちは。Motivation Maker(以下、MM)のマネージング・ディレクターの
横田幸信です。
長らく、blogを執筆しておらず、大変失礼しました。
本日は、9月11日(日)に開催した、MMの「2011年度上期モチベーション・ワークショップ」のフィナーレとなった、「明日のモチベーションの育て方」の様子を紹介します!
まず、「2011年度上期モチベーション・ワークショップ」(以下、上期WS)とは、MMが2011年4月から9月までの半年間で、計6回開催した、通期のワークショップのことを意味してます。
上期WSの参加者は、小学生〜中学生、そしてその親御さんも入れて、毎回30名程度です。
当日のサポートスタッフには、MMスタッフのみならず、教育やワークヨップに関心のある学生や社会人にも毎回ご参加頂きました。
参加者のうちの半数には、6回のWSのほとんどに続けて参加してもらうことで、各回を通じて「前回ワークショップ後の変化は?」といった質問を受けて頂き、子どもや親御さんの日々の行動や価値観の変化、気づきなどをお知らせ頂きました。
つまり、MMのワークショップの効果について、親御さんと共にモニターしました。
MMでは、「モチベーション」という、ある種とらえるのが難しいものを対象とした教育プログラムであるために、効果を見極めるために、様々な工夫をしています。
例えば、前述したように、親御さんへの継続したインタビューとアンケート調査がその一つです。
他にも、子ども一人ずつに、「モチモチシート」と呼ばれる観察シートを準備し、ワークショップ後にはMMスタッフが定量と定性、事実と推察を分けつつ振りかえり、「モチベーション」の観点からの子どもの成長を見守りました。
MMには、数値処理に明るい理系人材が多いだけではなく、アンケートを通じたマーケティング調査の素養のある者など、定量分析についてはある種の専門性を元々持っていました。
一方で、「モチベーション」の変化を定量的に全て把握出来るわけではなく、むしろ定性的な行動観察や発言記録の方が、より実践的で示唆の多いものとなることが分かってきました。
そのため、MMでは、観察結果の定性的な変化の方をより重視しています。
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さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ「明日のモチベーションの育て方」のワークショップの紹介です。
今回のワークショップは、旧練成中学校を改修して誕生した「
3331 Arts Chiyoda」(以下、アーツ千代田)の運営団体合同会社コマンドA代表、株式会社アフタヌーンソサイエティー代表取締役の
清水義次さんとのコラボレーションで実現しました!
アーツ千代田は、校舎の様子から学校の面影を残しつつ、さまざまなジャンルの第一線で活躍するアーティストやクリエーターたちがそれぞれの表現を自由に発信する場所として、さらに、地域の人がふらっと遊びにきてアートを楽しめる場所としても機能しています。
本日のモチベーション・リーダー(=ファシリテーター)は、私、横田でした。
MMのワークショップでは、いつも、社会人や学生から何らかの職業や専門分野を紹介しつつ、その職業を体験してもらうようなワークショップのデザインになっています。
その結果として、子供の視界が広がったり、行く先をイメージ出来るようになったりを期待しています。詳しくは
コチラのブログ記事をどうぞ。
そこで、私の職業はというと、まずは「研究者」です。
自称イノベーターって、大いにかっこわるいのですが、ワークショプ開催のためにも、ここは多めにみて下さい。笑
二つの職業について、私の中での違いとしては、
①研究者の仕事は、「考えて、考えて、考える」こと。
②イノベーターの仕事は、「考えて、考えて、行動する」こと。
まぁ、「考えて、考えて、」までは一緒ですね。
そして、いよいよ、何をしてもらうかというと。
ということで、まず「未来を描く」ことから始めます。
未来はどんな社会になるのか?自分はどうなっているのか?雑誌のコラージュで表現してもらいます。
色んな雑誌、写真を使って、思い思いに「未来」を表現してもらいます。大人も、子どももスタッフも参加しました。
この回のワークショップは上期WSの最後の締めくくりです。色んなワークショップを経験した子どもたちが表現する「未来」とは???どんな未来が描かれるのか楽しみです。
ちなみに、ワークショップ最初に参加者に聞いてみました。「未来」のイメージについて。車が空を飛んでいる。家も飛んでいる。宇宙に行ける。東南アジアみたいに暑くなっている。トランスフォーマーの世界。タイムマシン。と様々な回答。
「未来をつくろう」。これは、MMが挑んでいることでもあり、子どもたちにも伝えたいこと。今日のワークショップが未来に届きますように。まずは、参加者の皆さんがどんな「未来」コラージュを作るか楽しみです。
「未来」を表現するのに、何故か「お城」と「江戸時代の絵」の写真を切っている男の子がいます。一体どうなるのか!?
引き続き、未来を描く子どもたち。だんだんのめり込んでいきます。漫画で表現する子、自分で色んな絵を描く子、写真を組み合わせる子、表現方法は様々です。最初は戸惑っていた大人の方もかなり真剣に作業中。
途中からは、何やら別の制作物をつくる子も、、、笑
「未来」コラージュを作る様子。色んな雑誌の情報が子どもの頭を刺激します。少し描きだすと、また想像が止まらなくなり、どんどん未来に突っ走っていきます。
色んな「未来」が完成。重力がなくなっていたり、ロボットと人間が繋がっていたり、匂いの世界や、絵本の中みたいな世界も。天国を描いているお母さんも。
各チームで、自分の描いた未来を発表。「おおーっ」「すごい!」「へ〜」「これは何?これは何?」「面白い!」という声が飛び交います。考えていること、表現方法も全然違うことがわかります。
子どもがつくった未来の様子に親御さんも興味津々です。子どもの作品には、その子の興味や未来への願望などが詰まっているからです。
そういえば、「未来は日々変わっているから描けない」ということで、「白紙」の子どももいました。彼なりにいつもいつも未来について考え続けている証拠だなと思って、すごいなと感心しました。
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さらにワークショップは続きます。
今日のテーマは、「明日のモチベーションの育て方」。明日(=未来)を描いた後は、自分のモチベーションは何なのかを考える作業です。昔の体験を振り返ってもらいました。
①自分が誰かのモチベーションを上げた経験、②誰かに何かをしてもらってモチベーション上がった経験と、を考えてもらいました。
考えてもらった後は、発表の時間。「最初に発表した人がイノベーター」と呼びかけたら、どんどん手を上げていく子どもたち。活気のあるワークショップが続きました。
①誰かのモチベーションを上げた経験として、「雑巾がけとか、ママの手伝いをしてあげたこと」や「友達が成功した時に一緒に喜んであげたこと」、「忘れ物を忘れた友達がいて、先生には伝えず、こっそり文房具・消しゴムを貸してあげたこと」、「励ましの言葉をかけてあげたこと」、「後に楽しみがあるとモチベーションが上がる」、逆に「怒られても馬鹿にされてもモチベーションが上がる」という声も。
他にも、「普段は冷たくしている後輩に話しかけること」「友達の話をしっかり聞いてアドバイスしてあげること」などのモチベーションを上げた経験。
また別の子からは、「小説を書いて、人に見てもらう」ことでモチベーションが上がるとのこと。
子どもの発言に触発されて、お母さんも発表開始。「料理を作ってあげること」で家族のモチベーションを上げ、「テレフォンカードを「いつでも電話してね」というメッセージ付きでもらったこと」「困ってくれた時に共感してくれたこと」で自分のモチベーションが上がったとのこと。
ここで大切なのは、子どものモチベーションの要素を、親御さんも知っておいてもらうことでしょう。それが家庭でのモチベーション持続のヒントになります。
そして、子どももお母さんやお父さん、他の家族、友達のことを知っておくこと、それが自身のモチベーション持続にも役立つかもしれないですし、なによりその人をモチベートする事が出来ます。
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そいて、いよいよ復習タイム。今日やったことってなんだったかな?未来を描いて、自分を理解して、じゃあ、どうしよう?ちょっと高い「未来」に到達するために、どういう道をたどるのか。進み方は色んな進み方がある。
でも、「ちょっと高い未来」に進んでいくために、自分のモチベーション、周りの人のモチベーションがすごく大事。そうやってやる気を出し合って、常にそういうことを考えて、生きていくのが大事です。
そして、最後にお決まりのページ、「今日、伝えたかったこと」。このページでは、その日のモチベーション・リーダーが、ワークショップを通じて伝えたかったことを最後に確認します。
そして、ちょっとだけ、持論を紹介。「未来」を考えながら進む人がイノベーター!自分が進んでいくステップを考えているだけじゃなくて、「未来」を描くのがすごく大事!とか。
ちなみに、私はこの日は未来のコラージュをつくっていませんでした。
それには理由がありました。
なぜなら、その日、また上期WSそのものが、私の未来のコラージュだったからです。
例えば、その日の会場である、アーツ千代田のような学校やその跡地で、先生以外の地域の大人とも子どもが一緒に学び合う場が増えるといいなぁ、そして、その場ではそれぞれの未来や希望を描いて、互いを理解しあう、アドバイスをする、継続してモチベートし合う関係をつくる。
そういうことが、未来の学びの場と環境、内容だろうと。
ブログを読んで下さった皆さん。
皆さんは、どんな未来を描きますか???
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最後になりますが、いつもMMの活動に参加してくれる子ども達、親御さん、ありがとうございます。
皆さんとの大切な時間がMMスタッフ全員のモチベーション要素になっています。
私は、個人的には、小中学生の皆さんの予想不可能な動きと発言が大いに刺激的で、いつも愉快です。
そして、お忙しい中MMに協力して下さる、アドバイザーの
東京大学i.schoolの堀井秀之教授、同じく田村大さん、そして
ラーンネットグローバルスクールの炭谷俊樹さん、いつもありがとうございます。
そして、そして、MMを応援してくださる組織、個人のたくさんの皆さん、ありがとうございます。
そして、そして、そして、MMスタッフの皆さん、お疲れさまでした。色々ありがとうございます。
これからも着々と教育のイノベーションを実現しましょう。
皆様のお陰で、取りあえずは、上期WSを終えることが出来ました。
そして、来月11月からは、下期WSをスタート出来そうです。
今後ともご支援よろしくお願いいたします。
追伸
今後もアーツ千代田でも継続してワークショップ開催していきたいですし、そうさせて頂きます、きっと。
学校という場の持つ力や文脈を軸足に、教育のイノベーションを希求したいです。