こんにちは、MMパートナーの横田です。
6/18-20の3日間、神戸の六甲山の山中にある、ラーンネット・グローバルスクールに行ってきました。
ラーンネット・グローバルスクールでは、小学生から中学生までの年齢の子供たちが20名ほど学んでいます。
スクールの建物は山の斜面に建っており、まさに自然の中に、しっとりとスクールがあるという印象です。山の中にあるスクールから、眼下に海も見え、とても豊かな環境です。
スクールが山中にあると言っても、普段子供たちは市街地で親御さんとともに生活を送っており、毎朝神戸市内で集合し、そこからスクールバスで六甲山の山中に通学します。
ラーンネット・グローバルスクールの設立者であり、代表の炭谷俊樹さんは、Motivation Maker(モチベーション・メーカー、以下MM)が生まれるきっかけとなった、東京大学i.schoolのワークショップ「社会的企業をつくる」のファシリテーターをして頂きました。また、現在MMのアドバイザーとしてご協力頂いています。
今回私がスクールに行ったのは、「ナビゲーション講座 実践編」を受講するためでした。
スクールでは、一般的に「先生」と言われそうな人のことを、「ナビゲーター」と呼びます。それは、彼らが、子供の自立的な成長を導く存在であるからです。大人は子供に対して何かを「教える」存在ではなく、あくまでも「導く」存在だということです。
ちなみに、4月中旬には、「ナビゲーション講座 基礎編」を二日間受講してきました。こちらは座学とケーススタディー中心の講座でナビゲーターとはなんだろうか?ということを学びました。
そして、そういうナビゲーターのお仕事を3日間、子供たちとのコミュニケーションもある実践で学ぶのが「ナビゲーション講座 実践編」です。
3日間にわたる講座の中で、山場となるのが、①子供たちと一緒に行うゲームを企画し実施、②ナビゲーターとして講座を企画し実施、③子供たちが普段行う「プロジェクト学習」を体験、の3つでした。
そこで、何を学んだのか・・・・
やはり、「実践編」というだけあって、こればっかりは、実践してみないとなかなかうまく伝わらないと言いますか、説明が難しい部分ではあります。正直。
とは言っても、一つだけ、②ナビゲーターとして講座を企画し実施したことを通して、子供とのコミュニケーションについて私が学んだことを紹介します。
私は、担当した講座において、「中学生時代にやっててよかったこと、やっときゃよかったこと」と題して、私の中学生時代の話を良い話?と悪い話?を紹介しました。私の中学生時代の頭の中を円グラフで紹介もしました。
ちなみに、私の頭の中の円グラフは、「バスケット」、「好きな女の子」、「色々な悩み」の3等分にしました。
もう少し何かを「教える」感じの講座にしたい気持ちもあったのですが、いまいち私は人に何かを教えるのが苦手だったりでして、どちらかというと背中を見せたい感じの性格です。また、まだまだ私も学んでいる途上ですので、教える側になるのが気恥ずかしいというか、私なんかが教えるのもなんだかおこがましい感じもあります。
また、私にとってある意味、私と中学生の彼らは、対して変わらない存在だと認識しています。私自身の中学生時代を思い返してみても、今の自分と何が違うのかと言われると、年月によって獲得した知識と経験以外は、今と当時で対して変わらない感じです。
それは、今も付き合いの続く私の中学生時代の友人・知人との会話を通じても感じています。まぁ、私や周囲の友人・知人が成長がないと言えばそれまでなのですが、、、笑
ですので、中学生である彼らに対して何かを教えるというよりは、私が当時を振り返り反省したりしていることについて紹介し、彼らに何らかの「気づき」を得てもらえたらいいなと思って、そういった内容にしました。
詳細な講座内のやりとりは秘密事項です!!!笑
でも、最後に子供たちから思わぬ要望をもらった話が、示唆的であったので紹介します。
その要望とは、「よこたさんの中学生時代の似顔絵描いて!」ということでした。
私は、正直その時は、その要望の意図というか意味するところを全く気づくことはできずに、まぁ普通に似顔絵を描いて担当する講座を終えました。
そして、私の受け持ち講座の後、他の受講生やナビゲーターの人たちとのフィードバック会です。
今回のナビ講座の事務局を担当して頂いた、@nao1969 さんからの私の講座に対してのフィードバックが印象的でした。
「子供は、大人がずっと前から『大人』だと思っているのかもしれない。子供時代のないままに、最初から『大人』という存在だと認識しているのかも・・・」
「最後の似顔絵描いてという要望は、よこたさんにも中学生時代があったんだなということを、真に理解したということが言葉となって現れたのだと思う」
とのことでした。
このフィードバックって、とても示唆深くて、先日のMMの会合時に、MM他パートナーの皆さんにも紹介しました。
ちなみに、その日の夜の宴で、炭谷さんがおしゃった話で、私にとっても、その時の中学生の気持ちを追体験する、ある種の安心感というか私なりの気づきを得た瞬間がありました。
炭谷さん:「私は35歳くらいにラーンネット・グローバルスクールを設立して、その時に一緒だった仲間は30歳くらいでした。そう思うと、今回ナビ講座に参加された皆さんと同じくらいの年齢の時に設立したのですね。」
これまでも、上記のようなことは、私も書籍等の情報で当然のように知ってはいたのですが、実際に目の前で炭谷さんが自分の口で言ったことを聞くことで、一気に現実味がでました。
私は、「あぁ、炭谷さんも35歳のころがあったんだな。」って。
「あっ、これって、今日の子供たちの気持ちと一緒なのかな。」って、実感しました。
本当に単純で重要な認識が、こうも単純なことで発生するのだなという瞬間でした。
私は比較的、中長期的な自分の人生のプランを立てて行動してきておりまして、いまもそういう習慣というか癖があります。
でも、自分の未来に対する、絶対的な確信や自信がある訳ではありません。
自分の「思考」と「行動」、そして「時間」がうまく噛み合ない感覚の中で、不安になる毎日です。
例えば、15年後、45歳の自分を「思考」し「行動」しても、本当に45歳という「時間」が来た時に、思考していたことが実現するのだろうかという漫然とした不安があります。
でも、上記の炭谷さんの話を目の前で生で聞いた時に、ある種の納得感というか安心感を感じました。
「時間と共に、一歩ずつやっていけば、なんとかなるんだろうな」って気持ちです。
そして、よくよく考えると、15年前の中学生の頃にもそういう不安ってもっと強くあった気がします。
「目の前に大人はいるけど、自分も大人になるのかな。自分はこういう大人になりたいという目標はあるけれども、本当にそういう時間はくるのかな」という不安です。
そういう時に、時間をちゃんと体験して「子供から大人になっていった人」を生身の人間として視てもらうのは、子供の不安を取り除き、未来に対するモチベーションを付与することに大いに効果がありそうだと感じました。
そして、このモチベーションの背景というか源泉の話は、MMでこれまで議論してきた内容でもあります。これまでは、頭でそういうモチベーション発現の瞬間を考えてきましたが、今回はそれを間近でみて、自分でも体験したことが、私にとって大いに気づきがある機会でした。
最後に、ラーンネット・グローバルスクールの皆さん、特に中学生クラス「ジョイスマイル」の皆さん。本当にありがとうございました!!!皆さんのおかげで、たくさんのことを学ばせて頂きました。
横田幸信