-->

2015年6月30日火曜日

2015年度上期第1回「すてきな言葉をつくるコピーライター体験」 担当:藤田卓也氏(電通勤務・コピーライター)






広告とコトバを考える仕事
 今日は、2015年度上期のモチベーション・ワークショップの第1回目。東京大学本郷キャンパスのi.school studioで開催されました。
 妖怪ウォッチのCM、マクドナルドのCM、皆さんが必ず一度は見たことのある、広告の中には「キャッチコピー」が隠れています。広告をつくり、キャッチコピーを考える仕事・・・その仕事をするのが「コピーライター」です。今日のモチベーション・リーダーの藤田卓也(ふじたたくや)さんは、電通という広告会社で働いている新進気鋭のコピーライターです。







隠れたいいところを探そう
キャッチコピーを考えるには、まずその対象のいいところを発見するのが大切とのことです。しかも、他の人がなかなか気づかないような視点で、いいところを見つけるのが「プロ」。今日は、「大人では見つけられないいいところ」を探すのが、子どもたちの役割です。
  今日のお題は、野菜・果物のキャッチコピー。まずは、何のコピーを考えるのか、各チームで野菜・果物の争奪戦。みかん、ぶどう、りんご、トマトが選ばれました。そして、自分たちが選んだ野菜・果物のいいところを考えていきます。









最初の15分でたくさんのいいところが出ました。みかん「皮をお風呂に入れて使える、お手玉みたいに遊べる」ぶどう「プニプニしている、干して食べられる」りんご「誰かのおしりに見えて面白い、パイを作ることができる、人の名前になる」トマト「種がたくさんある、ハートみたい、トマト投げ大会がしたい」など。
 その後、さらに10分間考えていきました。さわったらどんな感じ?見た目はどう?絵本に出てきたことはない?ねだんは高い?安い?食べた後も使えるかな?海外の人にも通じるかな?いつ食べるとおいしい?色んな視点で考えます。なんと、合計300個以上アイデアが出ました!
伝えるためには、人のことも。
 次に、キャッチコピーで大事なのは、相手に伝えること。目の前のスタッフのお兄さん・お姉さんが「食べてみたい」と思うようなコピーを考えだす、というのが今日のミッションです。
 まずは、「何で、食べたくないのか、嫌いなのか」インタビュー。何に興味があるか、どういう生活をしているか、好きなことは何かなど、どんどん聞いていき、お兄さん、お姉さんのことを知っていきます。野菜・果物のことだけではなく、贈る相手のことを理解するのが、よいキャッチコピーをつくるコツだそうです。
 お兄さん・お姉さんからは、「忙しい」「面倒くさい」「トマトの赤色が嫌い」などの話が出ていたようで、「仕事が忙しいそうなので、みかんをお風呂に入れるといいかも!」といったアイデアが出ていました。さあ、これでキャッチコピーづくりの準備は整いました!




思わず好きになってしまう、ポスターをつくりだせ!
最後は、各チームが担当する野菜・果物について、ポスターをつくってもらいます。1.いいところを考え、2.伝えたい相手を具体的にイメージし、3.言葉と絵で表現してみる、という3ステップ。雑誌や折り紙、カラーペン、画用紙などの材料を使って、みんな、必死に制作に挑みます。
 そして、4枚のポスターが完成し、発表を行いました。どのポスターも力作ぞろい。「はちみつトマト」や「なぞってミカン」、「家族や友達とジュースをつくろう」、「リンゴは、にても、やいても、すっても、そのままでも、食べられる」といったキャッチコピーにかわいい絵が加わって、ステキなポスターに表現されていました。



藤田さんからのメッセージ
みんなの発表が終わり、藤田さんからの最後のメッセージが伝えられました。
1.よく知っているものでも、知らないことはいっぱい隠れている!自由な目で世界をみてみよう。
2.コピーライターはどんなものにも言葉を見つけていく。好きなことも嫌いなことも全部仕事につながっていく。
3.言葉は、人を動かしたり、傷つけたりもする。人の気持ちをよく考えてみよう。