-->

2012年3月10日土曜日

研究者体験!不思議を見つけるちからをつける@科学未来館

こんにちは。Motivation Makerの岩田拓真です。
少し時間が経ってしまいましたが、2月19日(日)に行われた第4回モチベーション・ワークショップ
「研究者体験!不思議を見つけるちからをつける@科学未来館」の報告です。

今回は、
①当日の様子
②子どもたちの「研究テーマ」!
③実はワークショップ前に考えていたこと
④ワークショップを終えて
を順に紹介していきたいと思います。


①当日の様子

2011年下期のワークショップも、今回が4回目。
参加者の子どもたちもだいぶMMの雰囲気に慣れてきたのか、元気いっぱいです。
今日の開催場所は、科学未来館。ウメサオタダオ展もやっていて、沢山の来場者がいました。
(たまたま、文部科学大臣も視察に来られていました)。

12時半に集合して、まずは、Motivationリーダーの風間正利さんから挨拶。
「今日は風間ハカセと呼んで下さい!」と勢いよくスタート!恰好も白衣で気合が入っています笑


まずは、「不思議」を探す時間。
「今日は自分が不思議だと思うことを科学未来館の中で探してきて下さい」という説明を風間ハカセから聞いた後、
家族ごとに探検に出発。展示ルームの中で不思議なことを見つけたらチェキで写真に撮ってきてもらい、
不思議発見シートに「なぜ●●なんだろう?」というタイトルを書いて、写真を貼ってもらいます。
(ちなみに、大人には1つ、子どもには4つの不思議を見つけてもらいました)

宇宙・医療・ロボット等色んな展示がある中、皆興味深々で探検をしていきます。
最初はどれを写真に撮ろうか迷いながらだった子も徐々に「これ撮ろう!」と動きが早くなっていきます。




1時間半の探検を終えたら、今度は「不思議」を深める時間。
大人と子どものペアになってもらい、見つけてきた不思議に対して、「なぜなぜシート」を書いてもらいました。



「なぜなぜシート」の書き方は下記の通り。
1.不思議1: Aさんが、まず「なぜなぜシート」の一番上に、見つけてきた「不思議」を書きます。
2.答え1:  Aさんが、その答えを自分なりに書きます。
3.不思議2: Aさんの答えに対して気になったことを、Bさんが質問をします。
4.答え2:  AさんはBさんの質問に対して答えを書きます。
この、3と4を繰り返してもらって、どれだけ不思議を深められるかを競います。
子どもと大人で、質問する人/答える人を交互でやってもらい、最後は自分1人で「なぜなぜシート」を作ってもらいました。

最初は、少し苦戦していた子どもも、最後はなんと10個以上不思議を深めた子も出来て、大盛り上がり。
風間ハカセも、参加者の皆の思考力に「すごい」と唸っていました。



そして、最後は「不思議」をもとに研究テーマを考えてもらう時間。
研究テーマシートに「何を」「何で」「何する」研究なのかを書いてもらいました。このシートも意外とすいすい進みます。
皆さん「なぜ」のスイッチがしっかり入ってどんどん加速している感じでした!チーム内での発表も活気を帯びています。


全てを終えた後、風間ハカセから一言。
「今日やった、不思議を見つけたり、不思議について考えたり、不思議について他の人と話したりすることを
ぜひ普段もやってくれるとうれしいです。それを続けていくと研究者になれると思います」


②子どものたちの「研究テーマ」

さて、どのようなワークショップだったか雰囲気は掴んで頂けたでしょうか?
どんな不思議が出てきたのだろう?どんな研究テーマが発表されたんだろう?ということが、
皆さん気になってきた頃だと思うので、参加者の皆さんが出したアウトプットの例もいくつか紹介させて下さい。

まずは、皆が見つけてきた「不思議」の例。
「人間の遺伝子はなんでこんなに細かいの?」「地球はなんでこんな形をしているの?」
など、わくわくする「不思議」がいっぱいです。


お次は、「なぜなぜシート」の例。
「なぜ成人の脳は2リットルのペットボトルの半分の重さがあるのか?」という不思議を深めています。


そして、最後に「研究テーマ」の例。
「パイプエレベーターを日本からブラジルまでつなぐ研究」や。。。
「ロボットに、人間がふだん暮らしている家で、人間と同じ生活をさせ(て観察す)る研究」など。。。



いつも思いますが、幅広さ、目の付け所はすごく考えさせられます。本当に面白い!
プロの研究者の方も、そうでない方も、是非一度試してみられると、新たな気づきを見つけられるかもしれませんね。
是非お試しください。


③実はワークショップ前に考えていたこと

実は、20011年上期(6月)に研究者体験のワークショップ「街角探検!写真で”宝の地図”づくり」を行ったことがありました。
その時のコンセプトは「自分が不思議だなと思う心を大切にして欲しい」ということ。
普段、学校では「知っている」「わかっている」ことが褒められます。知識に点数が付きますよね。

でも、その時MMでは「誰も知らない」ことも同様に(もしかしたらそれ以上に)大事なんじゃないか、と考えました。
誰も知らないこと・見つけられていないことを「これ不思議だなぁ」と発見できる力のことです。

そのため、ワークショップでは「一番不思議なことを発見した人を表彰しよう」ということに決め、
科学博物館で「一番の不思議」を参加者の皆に探してもらいました。
最後に子ども・大人全員の参加者同士の投票で、見事「最も不思議な賞」に選ばれたのは、
「アンモナイトは」でした。


※その他、ワークショップ「街角探検!写真で”宝の地図”づくり」についての詳細はhttp://motivation-maker.blogspot.com/2011/06/blog-post_8244.htmlをご覧ください。

そして、その流れを組む今回のワークショップ「研究者体験!不思議を見つけるちからをつける@科学未来館」。
モチベーションリーダーの風間さんと一緒に、榊原さんと私岩田で最初に考えたのは、
「不思議を探してきた後に、その不思議を「何でだろう?」と考えていくのも研究者にとって大事なことだよね」ということです。
難しい問題ほど、すぐには答えが出ないので、何度も自問自答して深めていく必要もあります。
また、「考える時に自分の視点だけじゃなくて「色んな視点」も大事だよね」ということについても話しあいました。
研究者の人は、自分で深く考えたことを他の研究者の人や他の分野の人と議論をして、どんどん深めていきます。

そこで、決まったのが、
「気づく」⇒「深める」⇒「語る」という流れ!

なぜだろう?という不思議を見つけて、それを深めて、語り合うことが大事ということがうまく伝わったらということを期待して、
「不思議発見シート」「なぜなぜシート」「研究テーマシート」を作り、ワークショップの流れを考えていきました。

いつもモチベーション・ワークショップを設計している中で、一番に大切にしているのは、「モチベーションの源泉」です。
モチベーションリーダーにとって、「何が大事か」「何にモチベーションを感じているか」ということです
そこで、今回も風間さんが研究者として大切にしていることから話を始め、3人で形にしていきました。
いいワークショップにするために、このプロセスには時間をかけますが、いつも楽しくやっています。


④ワークショップを終えて
最後に、思ったことを少しだけ。

今回のワークショップを設計・運営させて頂いて改めて感じたのは、
「不思議」って身の回りにたくさんあるんだな、ということ。実際に、ワークショップを考えている中でも、
メンバーの間で色んな議論が起こり、自分が当たり前だと思っていたことが何度か覆されました。
そのたびに考える「なんで自分ってそう考えていたんだっけ?」「これって何でだろう?」。

話している中での「不思議」も、歩いていてなんとなく見つける「不思議」も、
考えている中でふと頭に浮かぶ「不思議」も、最初はちょっとした違和感から始まる気がします。
言葉にならない違和感。肌が少しピクっとする感じ。こういった感覚を無視しないでちゃんと向き合うこと、
そこからどんどん深めて考えていくこと、色んな人の意見を聞いてまた考えたり行動したりすること、
そういうことをちゃんとひとつひとつ大事にしたいなと思いました。

皆さんはどう思われましたか?
是非、このブログを読んで不思議だなぁと思ったことを大切にして頂けると嬉しいです。


Motivation Maker岩田

0 件のコメント: