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2010年5月11日火曜日

「MM的な働き方」のご紹介

今回は、Motivation Makerの仕事の仕方について、少しご紹介しようと思います。

今の「昼の仕事」を辞めずとも、社会の為に「夜の仕事」を出来ます。

昨年11月から活動を開始したMotivation Maker(以下、MM)は、東京大学i.schoolの教育プログラム、2009年度 第3回人間中心イノベーション・ワークショップ「社会的企業(ソーシャル・エンタープライズ)をつくる」から生まれた、教育系ソーシャル・エンタープライズです。

東京大学i.schoolのその回のワークショップでは、i.schoolエグゼクティブ・ディレクターの堀井秀之先生ラーンネット・グローバルスクール代表兼神戸情報大学院大学学長の炭谷俊樹先生、にレクチャー及びファシリテーションを担当して頂きました。


社会に存在する問題を発掘し、その問題構造を理解し、解き方を考えて、最後に事業活動という方法を使って継続的に解ける仕組みを考えました。

この思考プロセスでは、問題発掘と問題構造理解が先に来ている点がポイントです。「ビジネスモデルありき」ではないところです。


活動内容については、また後日紹介するとして、今回は、仕事の仕方にフォーカスして紹介します。


本気でこのような取り組みをやろうとすると、自分たちの中に色々な葛藤が起こります。

まず起こるのが、例えば「現時点でさえ勉強や研究忙しい」、「仕事もあるから、なかなか表立って活動出来ない」、「今の勉強や仕事を犠牲にしてまでは参加できない」などです。

私の中にも実際そういう葛藤がありました。



でも・・・・、「気合い」があればなんとかなるかなと思い、やることにしました。笑



しかしながら、今回の事業では、それらの葛藤を私が好きな「気合い」ではなく「現実的」な手段で克服するためにも、組織運営方法やタスク(=作業のまとまり)の設計方法、実施方法、管理方法について実験的な試みをしております。



①まず、組織運営方法についてです。

実はMMには「トップ」は存在しません。

現時点では、10名の「パートナー」により合意された意思決定とタスク設計、タスク遂行がなされています。

ある意味10名全員がリーダーです。このMMの組織運営はi.schoolのワークショップ開始時からずっとそうです。

但し、それですとスケジュール管理があまくなったり、非効率的な運営になってしまうとわかってきたために、パートナーの中に、論点を提示したり、スケジュール案をだしたり、意見をとりまとめるような、「調整役」の仕事を作りました。

以前からのパートナー全員がリーダーシップをとりプロジェクト遂行していく本質的な点は変わっていません。



②次に、タスク設計と遂行、管理についてです。

事業遂行に必要となるタスクを現在5つに分けております。

しかし、全体のタスクを通して、積極的に参加者間の協業が発生するようになっています。

事業会社でよくある業務スタイルの、「一つの大きめのタスクを一人が担当する」のではなく、よりダイナミックに、複数の細かいタスクを複数人でごちゃごちゃ網の目のように担当するような運営になっています。

実験的ではあるのですが、自分の強みであるテーマや能力を、活用出来そうなプチタスク(=作業)をみつけ、ちょっとずつでも積極的に活かすスタイルです。

「苦手なことをやるのも勉強のうち」というのも分かりますが、少なくともMMの活動に限っては、「得意なことだけやって感謝される方が自分もMMも楽しいしうれしい」だと考えています。

もちろん自己成長のために少し背伸びしたタスクに挑戦してもらうことも歓迎しておりますし、そういう必要性に出会う機会も増えています。


③最後に、それらの働き方を支えるツールについてです。

パートナーの一人である榊原直人さんが、メーリングに限らず、google sitesやソーシャルブックマーク、RSS、google doc、skype、drop boxなどのコミュニケーションツールをフル活用する、MMに最適な事業遂行プラットフォームを構想し作り上げてくれています。

Google sitesはgoogleが提供するwikiのサービスです。Wikipediaのように、サイトを皆で更新しながら、成果物を作り上げます。このサービスを使い、パートナー10名で、オンライン上で情報共有とアイディアを積み上げる議論が可能となっています。

特に、twitterのように、自分のアイディアを「つぶやく」というのが大切だと考えており、パートナーの思考と議論の変遷は、wikiに残していけるようにしております。そのアイディアに乗っかる、回答する形で、wiki上で議論が進みます。長々とした文章ではなく、なるべく細かいアイディアを「つぶやく」のがうまくいくコツのような気がしています。ポストイットのweb版とでもいいましょうか。

メーリングリストにメールでちょっとしたアイディアを流すのは気が引けますが、wikiにメモ程度に残すという程度が心理的垣根が低いようです。また、アイディアを積み上げるにはそういう心理的障壁を下げるのが要諦だと考えています。

また、wikiにはgoogle docのアウトプットをヴィジュアル的に同期とって表示出来ます。わざわざファイルを開くという動作が発生しません。タスクスケジュールをエクセル的なフォーマットで作成し、ヴィジュアルとしてwiki上で共有しております。

口頭でコミュニケーションをとる必要がある時は、もちろんリアルの打ち合わせも行いますが、skypeを用いた打ち合わせも積極的に活用しています。

少し重たいファイルを交換したい場合は、メーリングリストでは不可能ですので、drop boxを使用します。2GBまでは無料のはずです。これで、パートナー内での仮想的な共有フォルダが出来ます。

ソーシャルブックマークでは、自分が気になり、他の人に見せたいwebサイトをタグ情報付きでブックマークしておきます。そのタグを、「MM」とかにしておいて、MMの他メンバーに「おすすめ」が分かるようにしておきます。またタスク毎にみてもらいたいものは、「MM1」や「MM2」などとしています。

このソーシャルブックマークを常にチェックしてもらうのは、とても手間がかかりますので、RSS登録しておいてもらいます。すると、私がブックマークを追加した時にだけ、RSS配信で情報が届きます。それはi-phoneなどのスマートフォンで、簡単に確認してもらえます。この仕組みのいいところは、ブックマークの順番やタイトルがRSSを用いて時系列で把握でき、その人の現在興味のあることや思考の広がり方や作業スピードがリアルタイムでわかることです。

Web情報をみて、そのURLをメールで共有したりすると、手間がかかりますし、その情報が埋もれてしまいます。その点ソーシャルブックマークのタグ付けとRSSでの共有は、上記二つを解決し、なおメリットも多いです。



以上が、MMが実践しており、私自身も現時点で「合理的な働き方」と思える方法です。


実験的な取り組みですので、トライ&エラーでどんどん改善していきます。


こういうお仕事プラットフォームをつくってくれたMMパートナーの榊原さんに感謝です!! 


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