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2010年5月13日木曜日

土持ゆり:「自分の経験を活かして、誰かの役に立てたらいいな」

パートナーの土持ゆりと申します。
遅ればせながら、自己紹介をさせていただきます。

現在私は、某IT企業にて、社員のモチベーションを高めるための施策立案や実施などに取り組んでいます。Motivation Makerへの参加は、とある方にご紹介いただいたことがきっかけでした。活動内容を聞いた瞬間、「これは、自身の経験が活かせる(役に立てる)のではないか」と思い、参加させていただくことになりました。

【社会に出て初めて現実を知る】
私は、3歳の頃に父を亡くしました。小学校まではよく、「寂しくないの?」「かわいそうだね。」などと言われたのですが、祖父母・母・弟と一緒に暮らしていた事や、親戚が多かったため、寂しいと思った事は一度もありませんでした。むしろ、愛情たっぷりの中で育ったのではないかなと思っているぐらいです。しかし、社会に出て父親がいなかったことの弊害を感じた瞬間がありました。それは、社会に出るまでの20年間、社会と断絶された生活を送っていたために、社会に出て初めて現実を知り、自活する事の大変さを知ったときです。なぜ社会と断絶されていたと思ったのかというと、私や弟に寂しい思いをさせたいようにと、祖父母が働きに出て、母は専業主婦としてずっと家にいてくれたので、会社で働く人の姿を身近に見ることなく、また働いている人の話を聞くことなく育ってしまったので、心のどこかで、「ずっといまのような生活が続く」と思っていたのだと思います。(ただの世間知らずとも言う。そういえば、祖父母から会社の話を一切聞いたことがありませんでしたが、何故だろう・・・。)

【なぜ勉強をしなかったのか】
祖母や母の世代の女性は、結婚して専業主婦になるのが当たり前の時代だったので、私もそうなるんだろうと思っていました。よって、勉強をしても意味は無い、生きる上で役に立たないと勝手に決めつけ、勉強は一切せず、友達と遊んだり、テレビを見る日々を過ごしていたのです(いま振り返ると、末恐ろしいです。)進路を決めるときなどには、「学校の先生になりたいです。アナウンサーになりたいです。」と、身近にいる先生やら、テレビに出ていてかっこよさそうな職業を言っていました。しかし本気でそうなりたい訳ではなかったので、そうなるために勉強をするという発想は皆無でした。そうこうしているうちに、高校卒業の時期が近付き、“とりあえず”短大に行きました。(母からは、大学にいって欲しいと言われたのですが、勉強を全くしていなかったので、大学進学は無理でした。)

【はじめて味わったどん底】
無事に短大を卒業し、就職をしたのですが、そこで、どん底を経験しました。
これからは一人で生きていかなければならないのだ。結婚して専業主婦になるといっても、相手が見付からないかもしれない。それに、専業主婦でいられる人が少なくなっていたときでした(働く女性が増えた・不景気の影響で、共働き夫婦が増えた)ので、余計に焦りました。なぜなら、自分には学歴も知識もコネも無い。当時働いていた会社は10名程度の会社であり、一般事務職を担当していたので、この先給料が上がることは期待できませんでした。よって、一人で生きていけるだけのお金を稼げる要素や環境が全く無かったのです。このときはお先真っ暗で、とにかく不安な日々を送っていました。しかし、どう動けばいいのかも分からず、不安を抱えたまま、環境が悪いなどと愚痴を言う毎日。しかし、どんなに愚痴を言っても、スッキリしないし何も解決されませんでした。

【自分で決めた、稼げるようになりたいという目標】
そこで、稼げるようになるにはどうしたらいいかを考えました。自分が知っている「稼いでいる人」といえば、芸能人・プロスポーツ選手・弁護士・医者など、自分とは違う世界の人だし、いまさら努力しても難しいのでは?(当時23歳前後)と、暗闇を模索していました。しかし、このままでは何も変わらない、少しずつでも稼げるようになるために努力をしようと思い、経済塾(といっても、超初心者向け)に通うなどして、人生初の勉強を開始しました。すると、経済塾には有名大学を出て、大手企業に勤めている方が大勢いたので、その方々から話を聞いているうちに、世界が広がっていきました。「そんな会社もあるのか~。そんな職業があるの?それなら自分にも出来るかも。やってみたいな~。」と思いをめぐらせるようになり、現在勤めている会社に転職をしたのです。現在の会社は社員数700名ぐらいの会社なので、大企業というわけではないのですが、10名の会社にいた私にとっては幸運な出来事でした。(お先真っ暗だと思っていた数年前からは信じられない転職だったので・・・・)

【自分の個性を認めて貰えたときに自信がもてる】
そして、現在の会社でも、様々な人との出会いがあり、世界が広がっています。実は現在の会社では一般事務職ではなく、営業職からスタートしたのですが、いろいろと厳しいこともあり、自分は役に立てない存在なのではないか?と思ったこともありました。しかし、あるとき、自分が興味を持っていた分野で活躍されている方から、「あなたの感性は良いと思う」と褒めていただいたことがあり、そのことがきっかけで、「自分は自分のままでいいのだ。」と確信し、自信を持ちました。営業を始めた当初は、出来る人の真似をしたり、先輩のいうとおりにしたり、自分を押し殺していたのですが、あのひとことで、それが吹っ切れて、「自分にもいいところがあるんだ~。このままでもいいんだ~。」と思えた瞬間に、力が出てきたのです。

【自信を持ち、目標に向かって突き進む】
社会人生活を送る中で、様々な仕事と出会い、その中で、興味のあるものが明確になっていきました。(=目標が出来た)さらに、自分の個性を認めてもらえたことで自信が出て、目標に向かって頑張れる土台ができたと思います。同時に、勉強することの大切さも分かりました。社会に出るまでは、訳も無く、「勉強しろ」とだけいわれていたので、何故勉強しなければいけないのかが分かりませんでした。しかし、心の底から「こうなりたい。あれをやってみたい。」と思えることが出れば、自然と目標に向かって頑張れるのではないかと思います。また、その目標を見付けるのが早ければ早い程、いいのではないかとも思います。つまり、子供の頃に様々な体験をすることで、その中から自分に響く何か(興味)を見付けて努力できる環境が必要なのだと痛感したのです。

【興味のあることに出会い、それに打ち込むための環境を創る】
子供の頃から様々な経験のできる環境に育った人はいいのですが、私のように、そのような環境にいない人もいると思います。Motivation Makerは、そのような人達に、『興味のあることに出会い、それに打ち込むための環境を創る』ことで、子供の可能性を広げ、自分の意志で楽しく生きることのできる未来を切り開くお手伝いができると思っています。

【最後に】
私の場合は、たまたま勉強が必要だったのですが、必ずしも勉強だけが必要な訳ではありません。そして、有名大学を出て大企業に入る事だけが幸せでも無いと思います。(その人が自分で納得して決めた目標であり、それが自身の望む幸せなのであればそれもありですが。)人それぞれ興味の対象は異なると思うので、自分が心底興味を持てることをみつけてそれに打ち込んでいける環境が必要だと思います。(←ちょっとしつこいですね。)これは、子供に限った事ではないかもしれません。世の中・社会全体がこうなると、もっと行きやすい世の中になるのかなと思いつつ、活動していきたいと思います。

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